日本の製薬企業がインドの企業を買収したとニュースで知った。
愛国心の強い私としては買収されたニュースよりは買ったニュース
の方が好ましいが、何やら不安が残るのも正直なところ。
物を生み出してそれが世間の評価を受けて利益を生むまでには
大変な時間とお金と血のにじむような努力が必要である。
特に、医薬品が利益を上げられるようになるには20年以上の歳月と
数百億円の資金がかかるといわれているのだから、もう販売して
利益をあげている会社を買収するほうが手っ取り早いのは誰が見ても
はっきりしている。
ならば、誰かが開発するのを見ていて、儲かると分かってから
資金力に物を言わせて会社を買ってしまうのが正解だという結論になる。
儲かることが分かってから買うのであまり専門的な知識はいらなくなる。
ファイナンスの知識があれば済む。結果として、製薬会社の財産である
医学的な専門知識はあまりいらなくなるのでそれを担う技術者達の
人件費も節約できる。万々歳である。
もし、世界中の製薬企業が同じように誰かが新しい薬を作り出すのを待つ
ことになったらどうなるんだろう?
生み出す人がいないのだから新しい薬はできない。
そうなると、病人、社会が困る。
全員がやってしまうと社会が困ることを「悪いこと」という定義を当てはめると、
油揚げを狙うトンビが悪者であるのと同じように、そういう製薬会社も悪者と
いうことになる。
もうひとつ、技術知識がいらないから製薬会社の知識が空洞化して行く。
これはもう製薬会社としてのアイデンティティーをなくすことですよね。
日本の製薬会社が合併して資本を大きくし、海外の巨大資本製薬企業に対抗
しようとする気持ちは分からなくもないが、この競争はオークションに参加する
のとおなじで際限がない。負ければ買われることになる。
またもやイスラエルを引き合いに出して恐縮だけど、国土も小さく、資源にも
恵まれないかの国では、それほどお金もないのに新しい技術を次々に生み、
その技術をお金に変えている。イスラエルをみていると資金力がないと新技術は
生み出せないという論理がいつも当てはまる訳じゃないことがよく分かる。
大企業になってゆくのもいいけど、タイタニックの例をひくまでもなく、ただしい
航海をしなけりゃ沈没だってする。しっかりお願いしますよ、船長さん!